2019年7月20日土曜日

今の家を仕立て直し、より永く、より快適に

家は人が生活するために、多種多様な機能が複雑に絡みあった複合物です。

常に風雨にさらされ、時間が経てば様々な不具合が生じます。その場合、往診が必要です。

その現状や原因を的確に判断できる技術プロがいなくては、生きる命も絶たれる恐れがあります。ヤブ医者では困ります。


最近は新工法、新建材による簡略化により、高度な専門技術職人が少なくなりました。いくら高度なコンピューターや機械があっても、使いこなす人がいなくては無用の長物です。

まさに、住宅診断士は家のホームドクターなのです。

2019年7月10日水曜日

木組みの構造の耐震性能を数値で証明する

「あがの家」の構造は日本の先人・匠(たくみ)が進化・向上させてきた、木組みの伝統構法が基本です。

ですから、今風のクギ・金物・合板に頼る耐震構造とは根本から違います。

伝統構法というと、古いイメージを持つかもしれませんが、それは全く逆で超ハイテクな技術なのです。


設計担当者はこれまでも、それを証明する「限界耐力計算法」を勉強してきました。

今年、2019年6月10日、改訂版「伝統的構法のための木造耐震設計法」が新たに刊行されました。


編集委員長は、日本の構造学の権威・鈴木祥之大学教授です。

「限界耐力計算法」は、地震力を加速度をもとにした詳細な数値で表し、構造体の耐力の限界を数値で証明する方法です。

今回、より詳細な計算法が示され、耐震性証明の精度が更に上がりました。

難解な計算式が列記されていますので、マスターするまで相当な時間が掛りますが、今月より再チャレンジしています。


2019年7月1日月曜日

難易度が高いからこそ、価値・魅力がある

古い家の再生というと、ややもすると、住む人も建築担当者も意匠・デザイン等、表面的な見た目のモノだけに拘ろうとします。


が、肝心なのは、家は住む人の心身の健康と生命の安全と財産を守る、構築物であるということです。当然のことながら、現行の耐震基準を満たすものでなければなりません。


ところが、厄介なことに、今風の金物や筋交い、合板に頼る構造体とは根本から違います。となると、伝統木構造の力学的な根拠に基づいた構造計算で証明するコトが必要となります。

尚且つ、部材の入れ替え、部材補強となると、ノコギリ・ノミ・カンナを自在に操り、経験と美感性を備えた本物の大工職人の技が絶対条件となります。