2019年12月20日金曜日

ある建築家から教わった「目に見えないものをデザインする」

目を引くもの、カッコイイものが良いデザインと思われがちです。

ある方の論文に、「悪いデザインというものは、ごまかすこと」で、良い建築とは「見えないものまでデザインされたもの」だと教わりました。

ではそれは何かといえば、うわべの綺麗さ、かっこ良さ、ごまかしではなくて、熱や空気、匂い、音といった「外から入ってくる豊かなもの」、心身の感触、周辺との関係(佇まい、コミュニケーション)、目には見えないけれど大事なことから逃げないで考える。


「見える化」するという言葉がありますが、表現者(設計者、つくり手)は「目に見えないものを見える化」する能力のある人です。

自分たちの価値観をきちんと社会に伝えることができる人が表現者です。建築は様々な要求が混然一体となってハーモニーを奏でるもの。

写真に写らないものも、実物では分かってしまう。見えないものを侮ってはいけない。それには、毎日コンピュータと睨めっこしているだけでは、何時まで経っても見えてきません。

まずは、生活態度を改め、心身を鍛え直し、感受性・気づき力を磨くことです。

具体的には、靴を揃える、
ゴミを拾う、
キビキビ行動、
元気溌剌、
笑顔で挨拶・・・。

習慣を変えて自己変革に尽きるのでは?と思います。


2019年12月10日火曜日

構造解説書より学ぶ「構造設計という機能」

建築における構造技術とは何か?

このような問いに対して容易に答えることはできませんが、少なくとも「建築物が成立し、実体として存在するために最低限必要なものは『構造』である」ことは確かです。

構造設計とは「何を建てるか」というより、「如何に建てるか」を設計するものであって、現代の工匠(職人)の能力を如何に如実に反映するべきもの、ということです。



しかし、実際の建築物は個々に異なり、機械製品のように在庫がきかないし、注文者の要求も異なります。

これに応える構造技術は、決まりきった手続きや手順で処理し得るものではなく、その物性ごとに千差万別です。

そこには、構造技術者は工事現場での絶え間ない自己研鑽が要求され、力学の理論と経験のバランスよい構造感覚が不可欠です。


当社社員は、デザイン設計は勿論ですが構造のプロを目指しています。

2019年12月2日月曜日

丈夫な家の根幹に関わる問題を明らかにする

皆さまは、丈夫な家とは柱や梁が太いことであると思っているハズです。

勿論、正解です。
が、時によっては柱が浮き上がるということをご存知でしょうか?

地震等によって、横の力(水平力)が耐力壁に加わると、その壁に接する柱に上向きの力が生じます。そうなると、柱が土台から引き抜かれてしまいます。

いくら梁が大きくて、筋かいや耐力壁が強くても、柱が土台から外れてしまえば家は潰れます。それを防ぐために、柱の接合部にボルトや板金物を取り付けます。



当社ではなるべく金物を使わず木の栓で抑えています(釘や金物で木材を傷めないために)。が、その為には、一定の地震力を想定して、柱に加わる引き抜き力を算定する必要があります(勿論、木の栓の強さも計算する)。


計算法としては、簡易法と詳細法がありますが、より正確な数値を求めるために、当社では詳細法(コンピュータ解析)で計算しています。


この計算は、柱の問題だけではなく、基礎のアンカーボルトやコンクリートの強度、鉄筋の太さや配置方法まで影響します。

これまで、あまり問題にしてこなかったようですが、実は丈夫な家の根幹に関わるコトなのです。