2022年9月20日火曜日

家の価値・機能・性能の関連特性を知る Part4

前回も書きましたが、地震は日本に住んでいる限り、決して他人事ではありません。そこで、今回は「家の耐震等級」です。


耐震等級とは、1~3の数値が大きくなるほど耐震性能が高くなります。

耐震等級1の建物とは、震度5の地震時、外壁のヒビ割れが発生しない状態で、かつ、震度6強の地震に対して倒壊しない耐震性能を有する建物のことです。

耐震等級2は、等級1の1.25倍、等級3は等級1の1.5倍の耐震性能を有する意味になります。

耐震等級1は、建築基準法の基準で、地震力を建物の重さの20%として構造躯体を検討します。耐震等級3はその1.5倍だから、地震力を建物荷重の30%として構造躯体の損傷を検討することとなります。

但し、この検証法は、建物が地震の揺れに対して弾性状態(耐力が一定で反発力が変化しない状態)を前提とします。



ですので、どれ位の地震力によって倒壊するかを検証できるものではありません。

その検証法となると、今、当社でチャレンジしている、更なる精密・高度な「限界耐力計算法」が必要となります。

2022年9月10日土曜日

家の価値・機能・性能の関連特性を知る Part3

 「1階2階、各々の重さに働く地震力」


地震による地面の揺れ具合は、震源地から同じ方向に同じ距離であれば、自宅の隣家も一緒です。揺れ具合は一緒ですが、建物にかかる地震力は、各々の家の重さで変わってきます。

建築基準法では、建物の重さ(荷重)の20%を地震力と仮定した時、構造体が損傷しないことを耐震性の基準としています。

同じ家でも、各階の働く地震力は異なります。1・2階にかかる地震力は各階とも、その階の高さの2分の1の位置に働くと考えます。


この時、1階の上部の重さということは、2階の重さも背負うということです。

つまり、1階には2階の約2倍の地震力が働きます。「高い階の方が揺れ大きくて危ない」と思っていませんでしたか? しかも1階は大きな部屋が多く、壁が2階に比べて少ないのが一般的です。

従って、耐震性の計算では、1・2階のバランスを考慮すれば、2階は問題になることは、ほとんどありません。

以下は次回です。

2022年9月1日木曜日

家の価値・機能・性能の関連特性を知る Part2

 「地震力と耐震性」


最近、テレビや新聞で首都直下型、又は東南海地震の被害予測が頻繁に報じられています。

一見、私たち新潟県に住む者としては、よそ事と思うかも知れませんが、そうではありません。日本列島に住む限り、必ず地震に襲われると覚悟しなければなりません。

2016年には「熊本地震」が発生、甚大な被害を受けました。そこで今回から家と地震の関連を、数回に分けて掲載します。


☆地震とは?

建築学的には、地震の際に建物に働く力を「加速度」と捉えます。地震は、地下に震源を持つので、下から突き上げる力と、建物を横に揺らす力とが同時に存在します。

下からの力も凄まじいのですが、横に揺らす力の約50%と言われています。従って、まずは第一に耐震性能として話題にするのは、横に揺らす力の影響です。



要約すると、
①地震力=水平力と考える。
②地震力は、1・2階各々に働くので、別々に抵抗すると考える。
③地震力は、建物の重さに比例する。

次回に続く・・・。