2023年3月20日月曜日

木造の家を取得する時の注意点

お客さまにとって、家の取得は生涯で一度の大出費を伴う財産を得る事です。

それを満足する為には居住性が良くて長く住める家でなければなりません。

注文をする人も建てる人もこの事を良く理解していなければなりません。


ところが、両者ともこの事に無関心なのが現実です。

これでは良い結果に結びつきませんので、今一度考え直すべきです。

先ずは家とは何かのイメージをハッキリさせる。

次にそれを達成する為に必要な条件を設定する。

これらの要望を設計者に詳しく伝える。

思う様な設計図が出来なければ、何度でも書き直してもらう。


私たちの家づくりは、昔からこれを繰り返してきました。

その結果、お客さまの要望を表現できる家をつくれる様になりました。






木造の家ですので構造体は伝統構法です。

木材は地場産のスギ材が基本です。

屋根は断熱性と耐久性に優れている安田瓦です。

その他にも高度な技術を必要とする仕様です。


これによって、お客さまは満足度の高い財産を得た事になります。



2023年3月10日金曜日

家にはどのような力が加わるのか?

建物に加わる力は「鉛直方向」と「水平方向」があります。

鉛直方向の力は、建物を構成する部材の重さである「固定荷重」と、人や家具などの移動する重さである「積載荷重」に分類されます。

この他に、雪の重さである「積雪荷重」も重要になります。

水平方向の力は、主に台風などの風圧力と、地震による地震力です。




風圧力は、建物の高さと形によって決まる単位面積当たりの風圧力を、風のあたる面積に乗じて計算します。

一方、地震による荷重は、地面の揺れに対する建物の慣性力によって生じる力で、加速度の大きさと建物の重さや形によって決定します。

構造計算では、計算した風圧力と地震力のうち、大きい方の水平力に耐えられるように設計を行います。

地震力が建物の方向に関係ないのに対して、風圧力は、見つけ面積に比例する事から風の方向によって生じる力の大きさが違う事があるので、注意が必要です。




2023年3月1日水曜日

間取り変更を伴う改築は、再度の構造計算が必要です

間取り変更を伴う改築は、柱や壁、梁を入れ替えるので構造体が変わります。

その結果、地震に対する耐力不足が発生したり、耐力壁の位置が変わる可能性があります。それを防ぐ為に再度の構造計算が必要です。

最初は床面積に必要な耐力壁の長さを計算します。

足りなければ補強しなければなりません。



次に偏心率を求めます。

先ずは、家の重量を計算して重心を決めます。

同時に耐力壁の位置によって決まる剛心を決めます。

それによって判明する偏心率を計算します。

不適合であれば、耐力壁の位置を変えなければなりません。

伝統構法の家や古民家は耐力要素が違うので許容応力度計算法では対応できません。




それに対応する為に限界耐力計算法で解析します。

私たちは各部屋の配置を決める時、耐力壁の位置も同時に考えます。

この長年の経験によってやり直す必要はなくなりました。