大半の人は木の家をお望みなのですが、今風の建て方は木の本質を活かした家とはいえません。
確かに壁や天井に木目の板などで化粧はしています。肝心なのは、柱や梁が室内空間に現れることによって、湿気を吸ったり吐いたり、人体に影響する有効成分が放出されるつくり方です。
太い木組みが醸し出す力強さや、木目の調和によって住む人の心と体が癒される。愛着が湧く。家の寿命が延びる。耐震性能も高い。これらが、日本の木造建築の原点だと思っています。
曲がった木、クセのある木、年輪の大小、色つや、人間と同じで一つとして同じものはありません。その個性を見抜き、活かすには、経験を豊富に積んだ大工職人の眼力も欠かせません。
今であれば、新潟県産のスギを使えば、40万円の補助金を受けられます。これこそ「一石○○鳥」の賢い選択です。
2017年3月20日月曜日
過去に学び未来を想像する
これまで建築の仕事に携わり、最近思うことは「近頃の家づくりの方向は、果たして後世に引き継ぐ進化向上に値するのだろうか?」という疑問です。
日本には神社仏閣・城郭はもちろん、全国各地に100年以上住み慣れた古民家が沢山あります。ここで学ぶことは、木の家の魅力を増す為の知恵が凝縮されている事です。高温多湿の日本の風土に合っていると同時に、現在の健康的な家づくりにも活かされています。
一時問題となったシックハウス症候群などは、天然の木材の使用と適度な換気で解決できます。それを、快適性を追求するあまり、気密性を高め、断熱性を高め、そのために化学物質を多用して、家にも人にも不健康な状況をつくりました。
一見、人間は時代とともに大きく変わったように見えて、本質は変わっていません。いや寧ろ人間の愚かさとエゴだけが進化しているようです。今問題となっているアメリカ大統領の挙動を見れば、これなどはその最たる事例です。
人間に一番必要なことは、心の満足、充実感であり、物質的豊かさは限定付の条件でしかありません。この事を踏まえて、未来に思いをはせ、想像力を働かせれば、100年後の人にもある程度評価されるモノを残せるのではないでしょうか。
日本には神社仏閣・城郭はもちろん、全国各地に100年以上住み慣れた古民家が沢山あります。ここで学ぶことは、木の家の魅力を増す為の知恵が凝縮されている事です。高温多湿の日本の風土に合っていると同時に、現在の健康的な家づくりにも活かされています。
一時問題となったシックハウス症候群などは、天然の木材の使用と適度な換気で解決できます。それを、快適性を追求するあまり、気密性を高め、断熱性を高め、そのために化学物質を多用して、家にも人にも不健康な状況をつくりました。
一見、人間は時代とともに大きく変わったように見えて、本質は変わっていません。いや寧ろ人間の愚かさとエゴだけが進化しているようです。今問題となっているアメリカ大統領の挙動を見れば、これなどはその最たる事例です。
人間に一番必要なことは、心の満足、充実感であり、物質的豊かさは限定付の条件でしかありません。この事を踏まえて、未来に思いをはせ、想像力を働かせれば、100年後の人にもある程度評価されるモノを残せるのではないでしょうか。
2017年3月13日月曜日
永遠の価値・魅力を求めて後世に継承する
消費財といわれる工場製品は通常、新品の時に一番価値があり、年月とともに価値が下がります。ということは、工場で加工され、釘や金物で組み立てる今風の家づくりも同じことになります。
先人から受け継がれる日本の家づくりは、時間とともに価値が高まる「時間財」を求めてきました。時間財となるには時を重ねていく「経年」、住む人の「思い」、世代を超えた「継承」という三つの要素が必要です。そこに「経年美化」という文化が生まれます。
家は人工物ですので、100年という年月の間には各部の劣化や不具合が発生します。その時に補修や取り換えが容易でなければなりません。それに対処するために、何百年という歳月を経て蓄積された先人から受け継がれる伝統的技術・技能・知識です。
伝統というと古いから価値がないと思うかもしれませんが、それは真逆で短絡思考です。
先人から受け継がれる日本の家づくりは、時間とともに価値が高まる「時間財」を求めてきました。時間財となるには時を重ねていく「経年」、住む人の「思い」、世代を超えた「継承」という三つの要素が必要です。そこに「経年美化」という文化が生まれます。
家は人工物ですので、100年という年月の間には各部の劣化や不具合が発生します。その時に補修や取り換えが容易でなければなりません。それに対処するために、何百年という歳月を経て蓄積された先人から受け継がれる伝統的技術・技能・知識です。
伝統というと古いから価値がないと思うかもしれませんが、それは真逆で短絡思考です。
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