2018年11月20日火曜日

木に触れ、語りかけ、体感し、個性・価値・魅力を引き出す

建築用材としての鉄やコンクリートであれば、性格が素直・単純で付き合いが簡単です。

ところが木材となると、これほど厄介で始末に悪い代物はいません。
その性格を並べてみると、

① 植物繊維で水や空気を含む。
② 腐る、燃える。
③ 曲がる、割れる、ねじれる。
④ フワフワして傷が付く、伸び縮みする。
⑤ 虫(シロアリ)に喰われる。
⑥ 品質と強度にバラツキがある。
⑦ 芯材、辺材で性質が異なる。

等々、並べてみると良い面がありません。


でも何故か、日本人は木の家を望みます。
木は人と同じ生き物だから愛着を感じます。



人と同じく1本たりとも同じものはありません。

種類が違えば香りも違う。
年齢も違えば表情も違う。
産地が違えば性格も違う。
植物だから人に与える健康効果もある。
環境が整えば何百年経っても強度を保つ、等々・・。



この木材(君)を劣等生にするか優等生にするかの責任は、担当者の見識で決まります。


2018年11月10日土曜日

「納得」と「信頼」のプロセスを重視する

家は住む人の生活全体に対する価値観を表現する最大の出費であり、「納得」と「信頼」から生まれます。家の評価は、結果のモノの価値にプロセスの価値が大きな影響を及ぼします。

プロセスというのは、お客様が提供者と初めて接触し、あれこれ検討の結果、提供者を決め、契約をし、施工に入り完工、引き渡しを経て、アフター・メンテナンスサービスに引き継がれ、長い付き合いが始まっていく経過です。


お客様は性能や品質については十分な知識、判断力を持っているわけではないし、施工についてはほとんど無知です。全てに不安があるが、提供者を信じるしかありません。

そこで第一プロセスは、出会いから納得に至る「知的なコトの第一の創造」に時間と知恵を駆使することが重要になります。第二のプロセスは、取得時のモノの価値、使用して短期で得られる利便価値、長期使用で得られる普遍価値に大別します。年月と共に判ってくる家の価値です。


住んで1年を経過すると、機能・利便性・使用価値が判明します。四季による環境変化(風・雪・雨・日照)、ランニングコスト、生活の習慣動作、等に対しての適応性です。
5年位経過すると、心身の健康、生活スタイル、家族・縁者の関係等、人への影響変化が表れます。10年以降になると、耐久性や資産価値、住む人が感じる魅力や愛着がはっきりします。

2018年11月5日月曜日

<イベントのお知らせ> 自然と暮らしの糸口広場「はぐ組むくらし」


自然と調和する「くらし」方を体感できるイベントです。
パネル展示・住まいの相談コーナーに「あがの家・創生プロジェクト」も参加します。
ご来場をお待ちしております。

日時:11月23日(金/祝日)10:00~16:00
会場:越後森林館(越後流通活性化センター)
   新潟市西区曽和5213-3
   ℡:025-261-7111

2018年11月1日木曜日

家とは2段階の創造でつくられる、「知的なコトの第一の創造」と「物的なモノの第二の創造」

お客様は家の新築・増改築に何を求めて、数百、数千万円の大金を支払うのでしょうか?

一見するとモノ(家)を買っているように見えますが、実はそうではなくモノから得られる「価値」に対してお金を支払っているハズです。「価値」とは、簡単に言えば、人が大切に思うもの、愛すもの、重要なものです。


住宅は価値の集合体です。例えば、安全(地震や台風に強い)、快適(ひろびろ、明るい、ここち良い)、便利(動きやすい、使い勝手の良い間取り、便利な設備)、ステイタス(重厚で堂々とした外観)、コストパフォーマンス(価格に対して価値が大きい)・・などの「コト」を形にした「モノ」が家です。

物事には優先順位があります。その価値を決定する第一要素が、知的な「コト」の創造です。設計図(知的な創造)に本当に欲しい姿が描けているかを確認することです。


大工には次のような格言があります。「二度測って、一度で切る」。一本目の釘を打つ前に、細かなところまで全てが創造されていなければなりません。

素人は己の商品(売りモノ)だけに熱中し、プロはニーズや問題に対しての解決(コト)に熟慮する。