2022年2月20日日曜日

耐力壁が偏在していると、地震時などに建物がねじれて大災害につながりやすい

風通しや日当たりを確保するため、南側に大きな開口部を取り、寒い北側は開口を最小限にして壁を多く配置する平面計画は、日本各地で多く見られます。

しかしこのようなプランは、全体では壁量を満足するが、耐力壁が偏在しているため、地震時には南側が大きく傾き、倒壊する恐れがあります。これは、阪神・淡路大震災の時多く見られた被害です。

建物の重さの中心を重心、堅さの中心を剛心といいます。重心はほぼ平面形の図心となります。



建物の堅さとは、耐力壁の強さ(壁倍率×長さ)です。例えば、南側も北側も同じ壁量であれば剛心は建物の中心となるが、壁量が北側に偏っていれば剛心も北側寄りになります。

また、重心と剛心にずれが生じている事を偏心といいます。ずれの長さ(偏心距離)は、大きければ大きいほど、水平力が作用した時の建物はねじれが大きくなり、倒壊する危険性が高まる。


たとえ偏心が小さくとも、外周部に壁が少なく中心部に偏在しているプランは、外周部が大きく振られやすい。

2022年2月10日木曜日

伏図と軸組図は構造計画の良否を判断する図面

梁の架け方を平面で示した図面を「伏図」、柱・梁・壁などの構造材のみを立面で示したものを「軸組図」と言います。

これらは構造計画の根本を表すので、計画の良否はこの図面で読み解くことが出来ます。伏図は、建物の床レベルごとに見下ろす図面です。

下層から、基礎伏図、土台伏図、2階床伏図、屋根伏図。伏図には、梁の下にある柱や束、上に載る柱や束も示す。






梁の下にある柱や梁の支持点、上に載る柱は上からの荷重を示す事になるので、伏図を見ることで梁の断面設計が可能になる。

但し、伏図だけでは屋根から基礎までの鉛直方向全体の流れが見えにくいという欠点がある。

そこで必要なのは軸組図で、鉛直方向全体の力の流れを把握する。

軸組図には耐力壁も示しておくと、筋交いの方向はバランスが取れているか、収まりに問題はないかチェックする事ができる。


この様に、力の流れを把握して、よりよい構造計画をするには、伏図と軸組図が必要なのです。

2022年2月1日火曜日

木造住宅の被害は、部材の断面不足、耐力壁の量・配置不備、接合不良が主原因

日本列島は、4つのプレートの境界上にあり、活断層も多い事から、地震大国と呼ばれています。

また、北部では豪雪、南部では台風の上陸など、大きな自然災害も頻繁に受けています。これらは、構造的にどの様な被害となって現れるか?




台風による被害は、軒先が強風で吹き上げられて屋根が飛ばされる。

これらは、いずれも部材の接合不良が原因で起こる。

積雪の被害は、想定以外の雪が積もり、梁や柱が荷重に耐えきれずつぶれたり、雪の溶け方が北側と南側で異なる事で、建物に偏った荷重が作用して倒壊する。




次に地震による被害は、耐震要素の不足及び偏在と、接合不良によるものである。

南側の間口を広くとった建物や、角地に建つ建物など、耐力壁が偏った配置にされる事から、ねじれて倒壊する。




その他、水平構面の水平剛性不足も原因となる。

これらの被害を防ぐために、定期的な検査をお勧めします。