100年以上永く愛されるとなると、4世代に愛され続けられなくてはなりません。一時の気まぐれや流行では、時代を超えることは不可能です。時代を超えて愛される魅力、それは普遍的な魅力と言えます。
その要素の一つに、地域の気候風土、自然にマッチした生活文化の伝統性があります。工場生産住宅の現代は、日本のどこでも同じ既成品の家が建っています。これらの家が世代と時代を超えて、普遍的な魅力に富んでいるかと問えば・・・?
昔中学校で学んだ歴史教科書を思い出します。明治の初めに、文明開化の集団催眠にかかり、廃仏毀釈(仏教を排斥し、寺・仏像を壊す)が盛んに行われたことを。我々日本人の、新しいものであれば何でも有難がる性癖の証です。社会が豊かになることは、より新しくより多くすることだと思い込んできました。
本当は上面や数量ではなく、中身であることに気付く時が来ました。「普遍的魅力」という難しいテーマに結論はないと思いますが、敢えて私見を言えば、過去から現在、そして近未来という時間軸の延長線上にあるということ。
一時の受けや、奇抜さを売り物にしたものは、いずれ廃れてしまうことは歴史が何度も証明しています。思いの目を未来に向けて、後世の人々も共感する普遍的魅力と日本文化の伝統的魅力の創造が求められます。