2022年5月20日金曜日

家とは2段階の創造でつくられる、「知的なコトの第一の創造」と「物的なモノの第二の創造」

お客様は家の新築・増改築に何を求めて、数百、数千万円の大金を支払うのでしょうか?


一見するとモノ(家)を買っているように見えますが、実はそうではなくモノから得られる「価値」に対してお金を支払っているハズです。「価値」とは、簡単に言えば、人が大切に思うもの、愛すもの、重要なものです。


住宅は価値の集合体です。例えば、安全(地震や台風に強い)、快適(ひろびろ、明るい、ここち良い)、便利(動きやすい、使い勝手の良い間取り、便利な設備)、ステイタス(重厚で堂々とした外観)、コストパフォーマンス(価格に対して価値が大きい)・・などの「コト」を形にした「モノ」が家です。

物事には優先順位があります。その価値を決定する第一要素が、知的な「コト」の創造です。設計図(知的な創造)に本当に欲しい姿が描けているかを確認することです。


大工には次のような格言があります。「二度測って、一度で切る」。一本目の釘を打つ前に、細かなところまで全てが創造されていなければなりません。

素人は己の商品(売りモノ)だけに熱中し、プロはニーズや問題に対しての解決(コト)に熟慮する。

2022年5月10日火曜日

「納得」と「信頼」のプロセスを重視する

家は住む人の生活全体に対する価値観を表現する最大の出費であり、「納得」と「信頼」から生まれます。家の評価は、結果のモノの価値にプロセスの価値が大きな影響を及ぼします。


プロセスというのは、お客様が提供者と初めて接触し、あれこれ検討の結果、提供者を決め、契約をし、施工に入り完工、引き渡しを経て、アフター・メンテナンスサービスに引き継がれ、長い付き合いが始まっていく経過です。


お客様は性能や品質については十分な知識、判断力を持っているわけではないし、施工についてはほとんど無知です。全てに不安があるが、提供者を信じるしかありません。

そこで第一プロセスは、出会いから納得に至る「知的なコトの第一の創造」に時間と知恵を駆使することが重要になります。第二のプロセスは、取得時のモノの価値、使用して短期で得られる利便価値、長期使用で得られる普遍価値に大別します。年月と共に判ってくる家の価値です。


住んで1年を経過すると、機能・利便性・使用価値が判明します。四季による環境変化(風・雪・雨・日照)、ランニングコスト、生活の習慣動作、等に対しての適応性です。
5年位経過すると、心身の健康、生活スタイル、家族・縁者の関係等、人への影響変化が表れます。10年以降になると、耐久性や資産価値、住む人が感じる魅力や愛着がはっきりします。

2022年5月1日日曜日

「災害は忘れた頃にやってくる」あなたの家、本当に大丈夫?

 「人の噂も七十五日」これが他人事であれば、さしたる支障もなく安穏に暮らせます。


ところが「災害は忘れた頃にやってくる」。その災難が自分に降りかかった時「想定外でした」では済まされません。そのためにも「備えあれば憂いなし」。


1995年の「阪神・淡路大震災」は勿論、昨年4月に発生した「熊本地震」の大災害さえ、今では忘れ去られ、我々建築関係者の中でも関心度が薄れています。国や各自治体は危機感を募らせ、高額な補助金制度による耐震診断を推奨しています。

が、これとて「笛吹けど踊らず」「聞く耳持たず」。後になって「こんなつもりではなかった」と愚痴っても「後のまつり」です。

全ての結果は「自業自損?」自己責任。「大丈夫だろう」が一番危険です。診断結果が倒壊の危険判定でも、それを知ることで、室内の家具配置や避難の方法等、命を守る心構えも違ってきます。