耐震設計では、一生に一度遭遇するかどうかの大地震(震度7程度)と、50年に1~2度程度は遭遇する中小地震(震度5以下)を分けて考えています。
中小の地震では建物自体に被害がないように、大地震の際は建物に損害があっても仕方がないが、人の生命と財産は守る、と考えます。
すなわち、耐震性とは、建物が絶対に壊れない、という事を意味している訳ではありません。
地震には縦揺れと横揺れがあります。
縦揺れは直下型の地震の際に起こりますが、震源が近いため縦横の揺れが同時に襲い、被害を大きくしがちです。
しかし、耐震設計では地震の力を横方向(水平力)として捉え、その力に耐えるように設計をします。
というのも、建物には日常的に重力が働いていて、それに耐えるようにつくられています。
建物が横方向の力を受けるのは、地震や台風などです。
横の力に耐えるには、重力に耐えるのと異なる強さが必要なのです。
この構造体をつくるのが耐震設計です。