2017年4月20日木曜日

時間・年数の経過とともに判明する家の価値・魅力

消費材といわれる工場製品は通常、カタログや店頭でその価値を判断し購入します。しかし家はオーダーメイドの現地一品生産なので、現物は存在しません。

提供者を決め、様々な期待・要望を検討しながら設計図と価格が決まります。その後、数カ月の工事を経て完成します。待ちに待った夢のマイホームを手にした喜びの一瞬です。だがしかし、家は完成時の外見だけでは真の価値はわかりません。本当の価値は、時間の経過によって判明するからです。

第一のプロセスは、住んで1年目。春・夏・秋・冬の気候変化に伴う、雨・風・雪・日照などに対する適応は? 生活する中で、不便・狭い・うるさい・暑い・寒い・暗い・落ち着かない等々、機能・利便性は満足か? 光熱水費や清掃費等のランニングコストは? これらが判明します。

第二のプロセスは、5年位の経過に伴う、住む人に対する影響です。心身の健康、生活スタイル、幼児・子供の情緒・教育効果、家族と縁者との関係、近隣との関係、等々が判明します。

第三のプロセスは、10年以降を経過すると、家の性能・品質が判明します。耐力性(構造上の不具合)、耐久性(劣化・腐食・虫害)、地盤沈下や家の傾き、資産価値(材料の品質・工法)、周囲や時代変化との違和感、愛着や誇り(飽きる・不満・コンプレックス)等々。

生涯で最大の出費である家の購入。尚且つ「これほど複雑で厄介な代物はない!」。提供者としてもその責任の重大さを痛感しています。

2017年4月14日金曜日

“川上から川下へ”「あがの家・誕生物語」バスツアーのご案内

第34回目の「森の作業体験バスツアー」は、「あがの家・誕生物語」バスツアーと題して、盛りだくさんでお届けいたします。

まず最初に、越後に生きる森での「あがの杉」の伐採見学にはじまり、次に保田地区の製材所で製材工程をご覧頂きます。

続いて当日開催の「やすだ瓦ロードフェスティバル」を散策しつつ瓦工場見学もご案内いたします。

最後に、同じく保田地区に昨年完成した住宅をご覧頂くという、皆様にたっぷり一日楽しんでいただける企画内容となっています。

ぜひご家族、お知り合いの方など多数お誘いあわせの上ご参加ください。

【お問い合わせ先】
「越後にいきる家をつくる会」事務局 
担当:大川原
〒950-2144新潟市西区曽和521-3
新潟県森林組合連合会 木材共販場内
TEL025-262-2320/FAX025-261-0526
http://www.echigonoie.com/

または
〒950-2205阿賀野市寺社甲246
株式会社 研創 内
TEL0250-68-3212/FAX0250-68-5271
http//www.aganoie.jp/
e-mail info@kenso.info

2017年4月10日月曜日

家は親から子へのメッセージ

家づくりで大切はことは、「そこに住まう家族の哲学や美学、さらには、その家の伝統と文化の総結集である」ということです。

住まいを、安全性・耐候性・耐久性などの建築工学や、快適性・合理性・居住性などの機能性を第一と考えるなら、それだけを追求した単なる建物(箱)を造るだけでいいかもしれません。

しかし、住まいを「人生観の結集」として、「人づくりの場」「親から子孫へのメッセージ」と考えるなら、教え、守り、残さなければならないものを表現し、伝えることが必要です。子世代への無言の教育の場として、また同時に一家の精神的な拠り所として考えていくことが大切なのではないでしょうか。

家族が四季折々の行事を楽しみながら、あまり過保護にせず、「不便を楽しむ」くらいのことがあってもいいのかもしれません。いくら温度や湿度が快適に管理された家でも、人工的に密閉された空間では、本当に健康的な暮らしをすることは難しいでしょう。

一方、家の果たす役割は時代とともに、暮らし方とともに変化するということも考えておかなければなりません。子供が成長し、独立して家を出て老夫婦だけで住むようになった時にどうするか。維持管理を考えれば、必要最低限の部屋で暮らすのが理想です。