古い家の再生というと、ややもすると、住む人も建築担当者も意匠・デザイン等、表面的な見た目のモノだけに拘ろうとします。
が、肝心なのは、家は住む人の心身の健康と生命の安全と財産を守る、構築物であるということです。当然のことながら、現行の耐震基準を満たすものでなければなりません。
ところが、厄介なことに、今風の金物や筋交い、合板に頼る構造体とは根本から違います。となると、伝統木構造の力学的な根拠に基づいた構造計算で証明するコトが必要となります。
尚且つ、部材の入れ替え、部分補強となると、ノコギリ・ノミ・カンナを自在に操り、経験と美感性を備えた本物の大工職人の技が絶対条件となります。