2021年11月20日土曜日

福隆寺・本堂の耐震改修工事の経過 No.2

伝統木造構造の建物の構造計算は限界耐力計算法で計算します。

地震力による建物の変形量を階高との比率で表します。

階高が300cmの建物が6cm傾いた場合は、5/300=1/60と表示します。




地震力は建物の重量に地震の加速度を乗じます。

屋根の重量は瓦の重量と雪の重量を加算します。



その条件で耐震計算をした結果、X・Y両方向も安全地である1/20以内を確認しました。ところが昨年、瓦屋根を鋼板屋根に変更することになりました。

となると、屋根や雪の重量が変わるので構造計算をやり直さなければなりません。





今年5月より再度の構造計算を始めました。

計算の結果、X方向は1/39、Y方向は1/54の数値となり安全性が2倍以上も高まりました。この数値は偏心率が0.15以下を前提としているので、同時に偏心率と水平構面の剛性の確認も必要です。



2021年11月10日水曜日

福隆寺・本堂の耐震改修工事の経過 No.1

福隆寺(阿賀野市寺社)本堂(床面積114坪)の耐震改修工事が8月20より始まりました。

この仏閣の創建は1853年(嘉永6年)ペリー艦隊来航(黒船来航)の年で、168年が経過しています。

1966年に屋根を茅葺から瓦に改修しました。


2015年に住職より、この本堂を後世にまで存続したいのだが、可能かどうかと相談を受けました。

そこで全ての部材を調べて構造計算を行った結果、可能と判断しました。


問題は工事費が幾らになるかです。

詳細設計を基に積算した結果、約9,500万円となりました。

檀家の皆さんの了承を得ましたので、5年後に実行する事になりました。


建築用材としての木材は天然乾燥が前提ですので、事前に用意しなければなりません。

2019年に、知り合いの阿賀町上川の石川さんの山林に入って、大径木を選びました。

地元の製材所で製材し、倉庫に保管してあるので品質は抜群です。



2021年11月1日月曜日

これからも、大工職人の後継者育成を継続する

私たちの家づくりは、太くて長い木材を組み立てて構造体を作ります。

その理由は、高度な耐震性能と耐久性を求めているからです。


それを作るには、大工職人の高度な技術とセンスが必要です。

その為に、若い大工さんには現場での訓練を徹底しています。


今年9月より、お寺の鐘楼の改修工事や本堂の耐震改修工事を行っていますが、先人の匠の技を学ぶ絶好のチャンスです。

これまで、見た事も聞いた事もない木材の加工にチャレンジしています。

この技術は若い時から訓練しなければ身に付きません。

今回の経験を機に一気に成長する事を期待しています。


これからの家づくりは、高度な性能が求められます。

今風の金物に頼る工法ではそれに対処出来ません。

大工職人の高度な技は、益々希少価値が高まります。

その為にも、私たちは後継者の育成を継続しています。