2017年8月20日日曜日

木の家を創るには今風の工法は無理がある

完成度の高い木の家を創るには、20~30職種の人々の感性と技術を要します。

「買う家」は工場で加工された部材・部品を簡易な方法(釘やボルトの接合)で組み立てられ、高度な技術・技能は要しません。確かにこの大量生産方式は合理的で、軽量鉄骨の家であれば納得できます。

が、「木で創る家」となると、どうでしょうか?「木」という建築用材は自然が育んだ「植物」という生き物です。それを強制乾燥し、又は接着剤で集成材を作り、ボルトや金物で接合する工法は明らかに無理が生じます。ボルト・釘をビッシリ打込んでは、細胞が縦に並んだ繊維質の組織を痛めつけ割れが生じます。

これは、地震等の横の力が加わった時の実験データでも明らかです。が、知ってか知らずかお構い無しが実状です。

2017年8月10日木曜日

「創る家」の役割分担と意識の共有

「創る家」と言っているのは、住む人が日曜大工の如く直接つくる事を意味しているのではありません。映画や演劇、テレビ番組等を企画制作、全体を統括する職務をプロデューサーと言います。

家を求める人はオーナーでありプロデューサーです。それを具体的に管理・監督するのがディレクター(設計者)であり、直接職務をこなすのがプレーヤー(職人)です。ですので、あらゆる作品・創作の良し悪しは、この3職のレベルとコンビネーションのチームプレーで決まります。

要するに、何のために? 何を? 誰が誰と? どの様に? 予算は? を共有して知恵を出し合う。家は住む人の健康と生命・財産を守る構築物であり、超高額な資産です。住む年月と共に、その価値・魅力が増すものでなければなりません。

2017年8月1日火曜日

生涯で最大の出費、「創る家」「買う家」あなたの選択は?

戦後70余年、平和で超高度に発展した日本社会は、あらゆる商品・情報が溢れ便利な時代となりました。その結果、生活に関する「モノ」「コト」の価値判断は多様化し、その存在意義は人それぞれによって違ってきます。住まいである「家」に関しても、例外ではなく「創る家」から、一般消費財と同じ工場で生産される「買う家」に変わってきました。

「買う」とは他人がつくったモノを選び、金銭と交換する二次的行為です。その結果、家に対する愛着が薄れ、無機質な箱モノに変わっています。「創る」とは自分が主体であり、ゼロからのスタートです。その結果、完成までのプロセスと物語が生まれます。

23年間放送されている「開運なんでも鑑定団」という人気テレビ番組があります。自分は美術・骨董品の目利きだと自慢し、何百万という大金で買った「モノ」が、実は「ニセモノ」で大恥をかいた。これが人気番組の要因です。この番組に「家」の鑑定があったら、面白いだろうに・・・。

何も鑑定団に出さなくても、年月が経てば素人でも、その判別は容易です。何千万も出して求めた家が、30年で老朽化、再利用するにも役立たず、膨大な解体費だけが残った。これでは「鑑定団」番組の笑ネタと同じになります。