2017年3月30日木曜日

木の心と永遠の自然生命力の宿る家

大半の人は木の家をお望みなのですが、今風の建て方は木の本質を活かした家とはいえません。

確かに壁や天井に木目の板などで化粧はしています。肝心なのは、柱や梁が室内空間に現れることによって、湿気を吸ったり吐いたり、人体に影響する有効成分が放出されるつくり方です。

太い木組みが醸し出す力強さや、木目の調和によって住む人の心と体が癒される。愛着が湧く。家の寿命が延びる。耐震性能も高い。これらが、日本の木造建築の原点だと思っています。

曲がった木、クセのある木、年輪の大小、色つや、人間と同じで一つとして同じものはありません。その個性を見抜き、活かすには、経験を豊富に積んだ大工職人の眼力も欠かせません。

今であれば、新潟県産のスギを使えば、40万円の補助金を受けられます。これこそ「一石○○鳥」の賢い選択です。

2017年3月20日月曜日

過去に学び未来を想像する

これまで建築の仕事に携わり、最近思うことは「近頃の家づくりの方向は、果たして後世に引き継ぐ進化向上に値するのだろうか?」という疑問です。

日本には神社仏閣・城郭はもちろん、全国各地に100年以上住み慣れた古民家が沢山あります。ここで学ぶことは、木の家の魅力を増す為の知恵が凝縮されている事です。高温多湿の日本の風土に合っていると同時に、現在の健康的な家づくりにも活かされています。

一時問題となったシックハウス症候群などは、天然の木材の使用と適度な換気で解決できます。それを、快適性を追求するあまり、気密性を高め、断熱性を高め、そのために化学物質を多用して、家にも人にも不健康な状況をつくりました。

一見、人間は時代とともに大きく変わったように見えて、本質は変わっていません。いや寧ろ人間の愚かさとエゴだけが進化しているようです。今問題となっているアメリカ大統領の挙動を見れば、これなどはその最たる事例です。

人間に一番必要なことは、心の満足、充実感であり、物質的豊かさは限定付の条件でしかありません。この事を踏まえて、未来に思いをはせ、想像力を働かせれば、100年後の人にもある程度評価されるモノを残せるのではないでしょうか。

2017年3月13日月曜日

永遠の価値・魅力を求めて後世に継承する

消費財といわれる工場製品は通常、新品の時に一番価値があり、年月とともに価値が下がります。ということは、工場で加工され、釘や金物で組み立てる今風の家づくりも同じことになります。

先人から受け継がれる日本の家づくりは、時間とともに価値が高まる「時間財」を求めてきました。時間財となるには時を重ねていく「経年」、住む人の「思い」、世代を超えた「継承」という三つの要素が必要です。そこに「経年美化」という文化が生まれます。

家は人工物ですので、100年という年月の間には各部の劣化や不具合が発生します。その時に補修や取り換えが容易でなければなりません。それに対処するために、何百年という歳月を経て蓄積された先人から受け継がれる伝統的技術・技能・知識です。

伝統というと古いから価値がないと思うかもしれませんが、それは真逆で短絡思考です。

2017年2月28日火曜日

「あがの家・創生プロジェクト」の発起

「木造の家は、伝統構法!伝統構法!」といくら声高に叫んでも、「それは、お前たち大工職人の古臭い言い分だろう」と理解を得ない。ならば、この構法の優秀さを、力学・工学的に証明しようと奮起したのが平成18年。その為には遊びや趣味の時間を全て無くし、この一点に集中すると覚悟を決める。

以来、あらゆる専門書を買いあさり、ただひたすらノートに書き写す。この作業を年間600時間 2年繰り返すと、目に見えない力というものがイメージできてくるから不思議。

平成20年、多少の自信がつき東京での研修にも15回程参加。「許容応力度計算」を手計算できるようになり、平成23年コンピュータソフトを導入。が、この計算法では「伝統構法」の耐震性能は証明できない。ならば、次の段階「限界耐力計算法」にチャレンジするしかない。

平成25年、横浜の建築家・木村先生の指導を乞い、今は完璧とは言えないが何とか実務に応用できるレベルか?まだまだ、山の頂は遥か彼方であるが絶対に投げ出さない。「あがの家・創生プロジェクト」を広める為の必須条件なのだから。

木造の構造設計に関心のある方、共に学び夢を共有しましょう。このプロジェクトに参加して下さい。

2017年2月20日月曜日

普遍的魅力と日本の生活文化の伝統

100年以上永く愛されるとなると、4世代に愛され続けられなくてはなりません。一時の気まぐれや流行では、時代を超えることは不可能です。時代を超えて愛される魅力、それは普遍的な魅力と言えます。

その要素の一つに、地域の気候風土、自然にマッチした生活文化の伝統性があります。工場生産住宅の現代は、日本のどこでも同じ既成品の家が建っています。これらの家が世代と時代を超えて、普遍的な魅力に富んでいるかと問えば・・・?

昔中学校で学んだ歴史教科書を思い出します。明治の初めに、文明開化の集団催眠にかかり、廃仏毀釈(仏教を排斥し、寺・仏像を壊す)が盛んに行われたことを。
我々日本人の、新しいものであれば何でも有難がる性癖の証です。社会が豊かになることは、より新しくより多くすることだと思い込んできました。

本当は上面や数量ではなく、中身であることに気付く時が来ました。「普遍的魅力」という難しいテーマに結論はないと思いますが、敢えて私見を言えば、過去から現在、そして近未来という時間軸の延長線上にあるということ。

一時の受けや、奇抜さを売り物にしたものは、いずれ廃れてしまうことは歴史が何度も証明しています。思いの目を未来に向けて、後世の人々も共感する普遍的魅力と日本文化の伝統的魅力の創造が求められます。