2020年12月20日日曜日

悔いを残さないために、本物を選ぶ目を養う

 昔から「人を見た目で判断してはなりません」という言い伝えがあります。

ということは、誰でも他人やモノの良し悪しを判断する時、最初は見た目で判断する癖があるからです。


当然ですが、若くてカッコいい人には誰でも好意を寄せます。
ところが、10年後に会ったら見る影もなかった。
俺の目は節穴だったか?といいう事が多々あります。


家も同じです。求めた時はかっこいいと満足した。
10年住んでみたら、薄っぺらなデザインと中身の無さに愛想が尽きた。
これでは笑いごとでは済まされません。
悔いを残さない為には最初が肝心です。


家は工場製品と違って現地一品生産の注文品です。
誰にその注文をするかによって、その品質・価値が違ってきます。
人選びから始まります。


その判断基準として、国が認定する建築士・施工管理技士・技能士の資格制度がありますが、実力は様々です。
結局は担当者の専門力を見抜けるかが結果を決めます。
難しい問題ですが避けては通れません。







2020年12月10日木曜日

後世に受け継がれ、語り継がれる家づくりを目指して

家は他の商品のように一時の要望だけを満たすものではありません。

家族が数十年間、寝食を共にする生活の場です。

子供は育てられる生活環境によって大きな影響を受けます。


木で組み立てられた時の思いを語ることによって想像力が高まります。

あの山の木が今もそこに生きている。

〇〇という名の大工さんが建ててくれた。


壁を塗ってくれた左官屋さんは誰々。

屋根は・・・。

それらを語り継ぐ事によって物語が生まれます。


只の無機質な箱物であっては、その生い立ちも由来も語られません。

尚且つ、少なくても80年以上住まれなければ歴史も伝統もありません。


これまでの悪弊、作っては壊しを繰り返し、大量の粗大ごみを廃棄すれば後世に悔いを残します。

資源の無駄使いは止めましょう。

今一度、家の真の価値・存在性とは何か?を考え直さなければなりません。

2020年12月1日火曜日

日本の伝統木造建築が、ユネスコに登録される事を機に

 1118日、新聞各紙は日本の木造建築技術がユネスコに登録される事になったと報じました。

これによって、日本の木造建築の伝統構法の優秀性が国際的に認められた事になります。

今現在、日本で建てられる家の殆どは、工場で生産する簡易な工法で木造の特性を無視しています。


木は植物なので生まれたその地域の自然環境により育ちます。

一定の年数を経て建築用材としての木材となります。


当然の事ながら、樹種の違いや産地の違いにより、一本たりとも同じものはありません。その特性を見分け適材適所に応用するのが、長年の経験を積んだ大工職人の技です。

尚且つ、ノコギリ・ノミ・カンナ等を自在に操る技能も必要となります。


私たちは、これまで先人から受け継いだ高度な木造建築を探求してきました。

私たちが住む阿賀野市周辺は、あがの杉や安田瓦等の建築資材と各種職人が豊富です。


今日の朗報を機会に、改めて日本の家づくり原点を再認識しました。

後継者育成も含めて、日本建築の進化と向上に努める活動に邁進します。

2020年11月20日金曜日

「あの⼈たちがいなくなると、困る」と⾔われる、専⾨家を⽬指して

 ⽊の家は⼈と同じく⽣き物です、時にはケガもするし具合も悪くなる。

その時に適切な判断と処置を施せば、元の姿に戻ります。


⽊の家の体(構造体)は複雑・緻密です。

その原因を究明するには⻑年の経験と専⾨⼒が必要です。


尚且つ、いざ⼿術となれば⾼度な技術・技能⼒を要します。

当然ですが、⼀⼈でできる代物ではありません。


数⼈の専⾨職の連携の良し悪しで術後の結果が決まります。

同じ資格免許者であっても、ピンからキリまでが現実です。

その⼈のセンスの有無と、あくなき探求⼼を続けられるかによってプロかアマかに分かれます。


⽊造建築の世界では、昔から先⼈たちの⾔い伝えがあります。

「眼を養い、⼿を練れ」。

医療もスポーツも芸能も、プロになるには、若い内から絶え間ない修⾏と意識を⾼めなければなりません。

私たちは、お客さまの安⼼と信頼にお答えする専⾨家を⽬指しています

2020年11月10日火曜日

⽊の家の資産価値は、構法の違いによって決まる

 家を求めるには何千万円もの出費を伴います。

⼀般の消費物とは違い家族にとっては最⼤の財産です。

最低でも70〜80年間その資産価値が保たれなければ浪費となります。

求めた当時は満⾜しても、数年経てば家族構成も変わり、ライフスタイルも変わります。

不便が⽣じれば間取り変更や修理修繕も必要です。


⽊造の家はその変化に対応できるのが特⻑です。

縦⽅向の部材と横⽅向の部材を絡ませ構造体をつくります。

この構法は⼀部を取り外し、再度組み⽴てる事が出来ます。


鉄⾻造やコンクリート造では不可能です。

但し、同じ⽊造でも、今⾵の合板や釘・⾦物で組み⽴てる構造体では、取り外す時に損傷が⽣じるので不可能です。

古⺠家の改築や移築の実例がそれを証明しています。


家を求める場合、どの様な構造を選ぶのか︖

その選別によって数⼗年後の資産価値の有無が決まります。









2020年11月1日日曜日

何故、大工の手刻みによる家づくりに拘るのか?

 ⼤⽅の⼈は⽊造の家は誰がつくっても⼀緒だと思っているのではないでしょうか。

確かに⼯場で⽣産するプレカット⽅式なら⼀緒です。

ですが建築⽤材としての⽊材は⼤量⽣産⽅式には無理があります。

木は自然の中に育つ植物であり生き物です。

当然のごとく1本たりとも同じものはありません。

同じ樹種であっても育つ場所によって、強度もクセも違います。

その選別は今のところ機械では出来ません。

⼤⼯職⼈の⻑年の経験と眼⼒に頼るしかありません。


更に⽊組みの構造となると、接合部や組⼿が複雑であり、ノコギリ・ノミ・カンナを⾃在に操る技能⼒が必要です。

⽇本の伝統的⽊構造は世界でも類のない最先端の技法です。

これは科学的実験によりデータも公開され証明されています。


ですが、この技能を⾝に付けるには最低でも10年の訓練を要するので今の若い職⼈は減少しています。

⾼度な性能・品質の家をつくるための絶対条件です。

この技術を後世に継承するためにも⼿刻みの家づくりに拘っています。






2020年10月20日火曜日

木の温もりと自然生命が宿る家

 日本の大方の人は木の家をお望みです。

それは木組みが醸し出す力強さ。複雑な木目模様。

天然素材の快適性。寿命の長さ。

これが昔から伝わる日本の木の家の魅力だと思います。

木は自然が育む自然素材です。

曲がった木、クセのある木、年輪の大小、色つや、人間と同じで一つとして同じものはありません。

その個性を見抜き活かすには、長年の経験を積んだ大工職人の眼力が欠かせません。

古来から日本の木造建築の匠は、家には永遠の魂が宿ると伝えてきました。

今風の建て方は木の本質を活かした家とは言えません。


確かに壁や天井に木目の板などに化粧はしています。

肝心なのは、柱や梁が室内空間に現すことです。

その効果として湿度調整は勿論ですが、木が発散する有効成分が心身を癒します。


2020年10月10日土曜日

家を新築・改築する時は「屋根は安田瓦を」と一言

全国各地、地場産業の活性が直近の課題です。

阿賀野市には地元の資源を活かした伝統産業が幾つもあります。

そこで、家づくりを専門職とする立場から「安田瓦」の特性を紹介します。


屋根は建物の最上部で風雨や雪、日射などの過酷な外圧に耐えなければなりません。

それには、損傷しない強度と劣化に対する性能が必要です。

屋根工法を大別すると、鉄板葺きと瓦葺きがあります。

近年の住宅市場は大手ハウスメーカー主導となり、鉄板の屋根が目立ちます。

その結果、瓦の屋根は旧式で時代遅れであるというイメージが広がりました。


ところが専門的検知から精査すると、瓦の性能・品質は遥かにレベルが高いのです。

特に「安田瓦」は科学的実験でJIS規格より高水準の性能が証明されています。

特徴は、曲げ強度が高く吸水率が低いので耐雪や凍結、防風や塩害に強い。

これらの性能により、瓦と鉄板のメンテナス費用の差は、30年で240万円になります。

「安田瓦」の発祥は190年前に始まり、現在では最新の機械化生産により品質管理も万全です。

住む人の安全・安心と資産価値の高い家が実現します。









2020年10月1日木曜日

住む人とつくる人の信頼の絆が永遠に籠る家

家を求める動機は人それぞれによって多種多様です。

従って一品たりとも同じ家はありません。

ですが、住むほどに愛着が湧くといった家は少ないようです。

その為にはスタートが肝心です。

先ずはどの様な住まい方をしたいのかをよく考える。

次に設計者と何度も話し合いプランを煮詰める。

但しこれはあくまでも理想を絵に描いただけに過ぎません。

家は構築物ですので多くの専門職の連携による合作です。



重要なのはその担当者によって作品の良し悪しが決まるということです。

経験の乏しい作業員レベルでは不可能です。

プロの職人はお客さまや作品に対する責任感が根底から違います。

お客さまの要望を直接聞かせてもらい、それを如何に現実化するに心血を注ぎます。

それを繰り返す事によってお互いの信頼感が生まれます。

家は単なる箱物ではなく、住む人とつくる人の思いが籠る生命体です。





2020年9月21日月曜日

木造建築は「都市の森林」、伐採・植林・長期使用で環境保全

 最近、日本各地で気候変動による災害が多発しています。

その要因はCO₂の排出による地球温暖化だと言われています。
樹木はCO₂を吸収して成長するので、これをその対策として利用します。
樹木の吸収・固定量は樹齢約50年まで伸び続け、それ以降は、ほぼ横ばいで推移します。
まずは、この特徴を踏まえて、老齢化した樹木を伐採し、必ず植林する。


そして伐採した木材で木造建築物を建て、50年以上使用する。
「伐採」「植林」「木造建築物の長期使用」の3つが連携して初めて、CO₂の吸収を最大化した森林保全が可能となります。


延べ面積30坪・20㎥の木材を使う家で5tの炭素を固定できます。
木造建築物は日本の低炭素社会を実現し、地球環境保全に貢献する「都市の森林」なのです。
一般的に木造建築物は短命だと思いがちですが、違います。
シロアリ被害や不朽さえ防げれば、半永久的に耐久年数を延ばせるのです。


大径木を用いた木組み・高床構造・軒を長くするなどの耐久構法は、これからも継承すべき日本独特の建築文化です。

2020年9月10日木曜日

⽊構造の特性を知り尽くした専任の建築⼠が担当する⾼度な性能

 建物は⼈の健康と⽣命、財産を守る構造物です。

それを担保するために、厳しい規制が法律で定められ、建築⼠という資格制度があります。この資格を得るには4科⽬の学科と設計の試験を受けなければなりません。

2019年度の合格率は、1級は12%、2級は22.2%の超難関です。

1級建築⼠の資格者は、合格率減少の影響などで⾼齢化が進み、4割は60歳以上、30歳以下は1割となりました。

その為、後継者育成が急務です。

「あがの家」を提供する担当者は、設計者も施⼯者も建築⼠の資格者である事が前提です。建築⼠の資格は⾞の運転免許と同じで、免許がなければ違反です。

但し免許があるからといって、誰でも事故を起こさないかといえば違います。

アマかプロかの判別は、構造計算が出来るか否かで決まります。

特に⽊造の構造は複雑なので⾼度な知識と技術⼒が必要です。

⽊造だから誰がつくっても⼼配ないと思うかもしれませんが、そうではありません。

2020年9月1日火曜日

木の家は、誰がつくるかによって価値が決まる

 大方の皆さんは木造の家は昔からつくられているので、誰がつくっても一緒だと思っているかもしれません。

ところが現実は全く逆です。

木の構造は複雑で緻密なので、高度な技術と知識が要求されます。

確かに工場で加工し現地で組み立て、面材で構造体を覆い隠すだけの家であれば同じです。木造の本当の特性は、木組みの構造体が室内空間と一体で表現できる良さです。

木は生きものですので、年数の経過と伴に表情が変わります。

木材の特性を知り尽くした大工職人の精密な技は芸術・美術の世界です。

もう一つの特長は「可変性」が高いです。可変性とは改築・改修をする場合、梁や柱の取り外しが容易であるかの度合いです。

木組みの構造なので接合部のホゾやクサビを抜けば本体を傷める事無く容易に外せます。又一部を取り換え元に戻すのも簡単です。

資産価値の高い家を望むなら最初が肝心、誰を選ぶかによって決まります。

2020年8月20日木曜日

⾃然災害にビクともしない、安全安⼼の⽣活環境づくり を⽬指して

動物や植物は⾃然の中に⽣かされています。⼈も同じです。

⾃然環境はその地域によって様々な特性があります。

当地新潟県だけでも、海岸部があり、平野部もあり、⼭間部と連なっています。

その地域によって、⾵の吹き⽅、⾬の降り⽅、雪の降り⽅は⼤きく異なります。

それらが過⼤になると尊い⼈命が失われたり、家屋損害の危険性が増します。

4・5年前から全国各地で異常気象による⼤災害が多発しています。

幸いにも新潟県ではこの難を逃れていますが、決して他所事・他⼈事ではありません。

「⼤丈夫だろう」が⼀番危険です。

そのためにも事前の備えが肝⼼です。

既存の家であれば今⼀度、安全性の点検をお勧めします。

これから新しく家を求めるのであれば、構造体の安全設計を綿密に⾏う事です。

その業務を担うのが構造を熟知した建築⼠です。

但し、資格だけの問題ではなく、その地域の⾃然環境に適応する⾒識⼒の有無により結果が決まります。